秋篠寺(佐紀・佐保路)

秋篠寺(あきしのでら)

奈良時代末期、光仁天皇の勅願によって官寺として創建されたと言われる。平安時代末期に伽藍の大部分を焼失。鎌倉期に、創建時の講堂をもとに現在の本堂が再建されたらしい。
本堂に25体安置されている仏像の中で、もっとも有名なのは、堀辰雄が東洋のミューズと称賛した伎芸天(重要文化財)。




 寺の門をくぐると苔と林が広がる、静かで美しいたたずまい。おおよそ喧騒とはかけ離れた雰囲気が、訪れる人を癒してくれます。失った堂塔を再建するでもなく、過度の装飾は一切されていない本堂が端然とある様子は、なかなか風情のあるものです。

 見どころはやはり、本堂の中に安置されている仏像です。薬師如来、日光・月光菩薩、五大力菩薩像など、どれもすばらしいのですが、やはり、何をおいても伎芸天です。これは、実は“伝”伎芸天でありますが、そんなことを声高に言うのは、もはや無粋ですね。たおやかな立ち姿と、そのかすかに翳りを帯びたやさしくも寂しい微笑に、魅了される人は後を絶ちません。
 同様の作りの帝釈天もまた、必見。これらは、一部鎌倉時代に修復されていますが、基本は天平仏。…個人的に、天平期の仏像は、魅力あるものが多いように思います。






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