「奈良」と聞いて、世の中の人が思い出すものは何でしょうか。鹿でしょうか。大仏でしょうか。
でも、せいぜいそれくらいなんじゃないか、と思います。がんばって法隆寺か吉野の桜、ってとこかな。なんだか、ぼんやりと、古いところ・・・。商業や流行の流れからは置き忘れられたような、そして観光地として脚光を浴びるでもない・・・。
別に、新しくなればそれでいいというわけでは、決してない。観光化されすぎて商業ずれするのがいいわけでもない。それでも。
今の奈良は、何か違うような気がする。それが、私の感慨です。
やってもやっても失敗し、そのたびに景観を損なう某駅前開発。いつまで経っても完成しないのにあきらめるわけでもなく、思い出したように時々手を加えながら放置されている高速道路の建設。文化や人口、都市の特色などの条件を無視して、大阪の真似ばかり繰り返す公共事業。京都のオマケ以上にも以下にもなれない観光事業。
奈良に愛着を持っていればこそ、気になるのです。「鄙びた」良さが薄れて行き、「さびれた」「「荒んだ」と印象が強くなってしまったこと。かつてのまほろばの風情は、手を加え、手を加えては壊されていくような気がする・・・。
何故でしょう。考えずにはいられません。他の地域がより優れているとは決して思わないのに、それでも「何故」と問いたくなるのはどうしてでしょう。
アイデンティティの欠如でしょうか。思考停止しているということでしょうか。けれど、このままでいいわけはないと、それだけは強く思うのです。
折しも、来る2010年は、平城京遷都1300年記念の年。そんなコトバもちらほら聞こえはじめないでもないのですが。
奈良のこれからのために、微力ながら私も何かできないかな、と…。そんなことを考える今日この頃です。
倭は国のまほろば たたなづく青垣 山隠れる 倭しうるはし 倭建尊
「テーマ語り」へ戻る